ほのぼのサポート日和

実家での何気ない時間、ホッとする瞬間とユーモア

母、再び種をまく

〜家庭菜園でたどる、母のやる気シリーズ〜

冬の庭で雑草を抜いたら、野菜の芽が出たーー

いや、"母のやる気"の芽だったのかもしれません。

ほんの小さな草取りのつもりが、家庭菜園リスタートの合図になるなんて。

実家で起きた、小さな「再生」の物語。

寒さの中にも、芽吹きは静かに始まっていました。

実家の庭は"なんちゃって畑"だった

 

かつて実家の庭は、父と母の「なんちゃって畑」でした。

トマトにナス、ピーマン。収穫シーズンには毎日がちょっとしたお祭り。

けれど年々、畑は縮小し、最後は庭の片隅だけに。

 

気づけば今、その片隅すら"雑草王国"に。

 

実家に行くたびにその景色を見ると、胸の奥が少しざわつきます。

「今日は見なかったことにしよう」と思っても、雑草たちは風に揺れて"ほらね、まだここにいるよ"と主張してくるのです。

ほんと、あの主張の強さ、見習いたいくらいです。

 

草取りが、まさかの再始動ボタンに

 

ある日、少し時間があったので、蛇口のそばの小さなスペースだけ草取りをしました。

ついでにスコップで土を起こして、根っこまで除去。

ちょっとした達成感とともに、「今日の善行完了」と帰宅。

 

そして次に行った日。

庭に、小さな種の袋が転がっていました。

 

「これね、撒こうと思って」

母が当然のように言うのです。

どうやら、私が草取りした場所が"畑候補地"に昇格したらしい。

 

「蛇口も近いし、水やりもラクなのよ」と、

すでに環境チェックまで済ませている母。

その行動力、冬でも発芽力抜群です。

 

"野菜は勢いで始まるもの"という名言

 

「苗は?」と聞くと、母は笑いながら言いました。

「遠くまで買いに行くの面倒だから、スーパーで種を買ってきたの」

 

…出ました、新名言。

"野菜は勢いで始まるもの"。

 

気づけば私も、スコップを片手に手伝っていました。

母の手つきは見事で、長年の勘が戻ったよう。

伊達に長年、家庭菜園をやってきたわけじゃありません。

 

私はというと「これ、どっちが上?」と聞きながら右往左往。

人生経験、深すぎる。

 

芽吹きは、母の笑顔とともに

 

帰り道、「あの草取り、無駄じゃなかったな」と思いました。

次に実家に行くのが、ちょっと楽しみです♪

芽が出ているかな。

母の笑顔も、きっといっしょに咲いている気がします。

 

芽が出たら写真を撮ろう。

そして、たぶん母は言うのでしょうーー

「これも育ててみようか」と。

 

あとがき🌱

 

母の「やる気の芽」は、気まぐれのようで、実はとても自然。

冬の庭でも、誰かの行動がほんの少し風を通すと、

心のどこかで眠っていた"育てる力"が顔を出すのかもしれません。